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鍼灸いちご治療院  鍼灸師 八幡太郎 執筆・監修

鍼灸いちご治療院 TEL.03-5876-8989

〒133-0051 東京都江戸川区北小岩6-35-19


なぜヘルニアや椎間板症になるのか?

椎間板損傷する理由 【鍼灸師 執筆・監修】

椎間板の構造や機能、また損傷により痛みが起こるメカニズムについて解説しています。
椎間板解剖図
なぜヘルニアでは激しく痛むのか、その理由は?

椎間板症とは腰がどのような状態になっているのか?

椎間板損傷を防ぐためにはどうしたら良いのか?

このページは以下の項目で構成されています

鍼灸いちご治療院 院長・鍼灸師 八幡太郎このサイトは鍼灸いちご治療院が運営しています。

記事については医療系国家資格である鍼灸師の八幡太郎が執筆・編集・監修しています。

構造と機能 / 損傷に至るバイオメカニクス

椎間板は、背骨を構成する椎骨と椎骨の間に存在し、中心が厚く外側がやや薄い円盤状の形をしています。椎体間の衝撃を吸収し荷重を伝達することと、背骨に可動性を持たせる役割を担っています。

椎間板の構成要素

椎体と椎間板の構成椎間板は、脊椎の部位によって厚さが異なり、頚椎で3〜4ミリ、胸椎で5〜6ミリ、腰椎は最も厚く9〜10ミリ程です。

中心部の髄核とそれを取り囲む線維輪で成り立ち、これに軟骨終板を加えて1つの機能単位となります。

髄核は含水率の高い高分子構造で、プレテオグリカン、コラーゲン、水からなり、力学的には液体と言ってもよく、ゲル状の物質です。


髄核の含水率は一生を通して同じではなく、出生時90%もの含水率は成人に達すると70%まで低下し、以降も加齢に伴い含水率が低下し続けます。それは椎間板が人体最大容積の無血管領域であるためです。

椎間板の水分と栄養補給

椎間板は酸素や水分補給を、主に厚さ1〜2ミリほどの軟骨終板を介して行っています。軟骨終板は多孔質で液体を自由に移動させることが出来る構造になっています。
ショックアブソーバーと椎間板の類似
椎間板と軟骨終板の関係はメカニズムにおいて、自動車のショックアブソーバーとして使われている油圧ダンパーとよく似ています。



油圧ダンパーでは荷重がかかると、オリフィスと呼ばれる小さな穴を油が通過する過程でショックが吸収されます。

人の背骨もそれによく似たシステムで荷重でかかる負荷を軽減させています。荷重が増加すると、多孔質の軟骨終板を介して髄核の水分が椎体に移動します。その抵抗でショックを吸収しています。

そして、負荷量が減少するとゴムのような弾性体である線維輪の復元力により、椎間板はスポンジのように椎体から水分を再吸収します。この水分の移動によって線維輪や髄核の栄養や酸素補給がなされています。

つまり、椎間板の含水率を低下させないように、劣化させないようにするためには、適度な負荷とそれを解除することの繰り返しが必要になります。ところが筋肉や靭帯などの軟部組織が柔軟性を欠き過緊張状態にあると、動きに伴う水分移動を阻害することになります。

また、水分移動の阻害要因には同一姿勢をとり続ける事も挙げられます。同一姿勢の継続は加齢による退行変性を加速させます。

加齢による含水率の低下

椎間板は水分の移動を、動きに伴う圧力の移動に依存しています。日中活動し夜就寝するまでの間に圧縮が続くために、1日のうちで身長は約1%減少します。

そして、成人後は吸収する水分量よりも失う水分量が多くなり、椎間板の厚さが減少します。高齢者の身長が顕著に低くなる理由の1つです。
含水率による安定度の差の模式図
髄核の含水率の変化は背骨の安定性にも影響を与えます。

髄核が十分に水分を含み、髄核内圧が高ければ、髄核外側の線維輪はより外側へと広がろうとし、張力が増し上下の椎体を安定させることが出来ます。

ところが、加齢により髄核の水分量が低下すると外周の線維輪の張力が低下し、上下椎体の加重を受け止めきれなくなります。このような状態は、腰椎変性すべり症、脊椎不安定症などの基礎的要因になります。

線維輪のウィークポイント

線維輪の構成成分は基本的には髄核と同じですが、コラーゲンが多いため水分含有量が低く強固な分子構造となっています。同心円状のバームクーヘンのような形状で髄核を取り囲んでいます。

椎間板線維輪
線維輪は11〜12の層をなし、1枚1枚斜めに線維が走行しています。

繊維はほぼ均等に並び、垂直軸に対し65〜70°の角度をなしています。層板どうしの線維の方向は、それぞれ互い違いになっています。

線維の方向が65〜70度であること。層板同士の線維方向が反対方向に入れ替わる構造であることが、引っ張り、圧縮、捻り、どの方向への運動にも制限を掛けることを可能にしています。

線維輪は前方と側方では厚く層板間のつながりも強固ですが、後方では薄く連結も粗くなります。また髄核の位置も中心よりもやや後方に存在するため、椎間板後方はウィークポイントとなり、損傷が起きやすい部位です。椎間板ヘルニアが殆どの場合後方に発生し、前方に起きないのはこのためです。

椎間板損傷に至るバイオメカニクス

線維輪は、胸部では肋骨という骨性基盤が存在するため損傷が起きにくく、頚部と腰部で損傷が起きやすい特徴があります。このホームページは腰痛に特化したサイトであるため、腰部の椎間板損傷について解説しています。
前弯角と、腰椎5番〜仙骨間の角度図
腰部では背骨は前方に弯曲し、腰椎は平均50〜60°の前弯角を持ちます。そして最下端の腰椎5番と仙骨の間の椎間板にはおよそ35°の傾斜角がついています。この角度は平均的な角度であり、いわゆる反り腰では角度が大きくなり、湾曲が浅い平背では角度が小さくなります。

腰椎が滑り落ちる力
弯曲が大きい反り腰では腰椎が前方に滑り落ちようとする力も大きくなり、椎間板線維輪が引き裂かれる負荷も増します。では、弯曲が小さい平背(フラットバック)の方が良いのかというとそうでもなく、平背の場合には椎間板への圧縮力が増し、線維輪の損傷を起こしやすくなります。
腰椎は前方への屈曲可動域は大きいのですが、回旋可動域が小さい特徴があります。これは頚椎や胸椎にはみられない特徴で、腰椎5つ合わせてもわずか5〜12°ほどの回旋可動域しか持ちません。

腰部の椎間板では、1椎体当たり3°の回旋可動域を超えると微細な損傷が起こりはじめます。そして、そのまま回旋し続けると線維輪の損傷は拡大し続け、回旋12°付近でその構造を維持できなくなり破綻します。

神経の分布と痛みの構図

椎間板の神経分布椎間板への神経線維の分布は、前方は交感神経幹から伸びた神経枝が支配しています。

側面は灰白色交通枝、後面は洞椎骨神経と呼ばれる脊髄神経から分岐した神経線維が分布しています。


洞椎骨神経は交感神経線維とも深く関係しています。そのため椎間板が損傷すると痛みの症状の他、腹部の内臓疾患と似た症状が現れる事があります。

痛みを感じるのはセンサーがあるから

侵害受容器模式図それぞれの神経線維から枝分かれし、最末端で痛みを感じる部分を自由神経終末と呼びます。

自由神経終末には痛みを感じとるセンサーが存在し、そのセンサーを侵害受容器と呼びます。

侵害受容器は身体が損傷する、または損傷の可能性がある侵害刺激を感じるセンサーで、高閾値機械受容器とポリモーダル受容器があります。

高閾値機械受容器は物理的な外力に反応するセンサーで、強い力での機械的な外力には反応しますが、弱い物理的刺激には反応しません。

ポリモーダル受容器は多様性を持つセンサーで機械的な刺激の他、熱刺激や化学物質に対する反応性があります。特に炎症を伴う痛みの場合にはポリモーダル受容器が関わっています。

痛みを感じるときこれらのセンサーが感じ取っているわけですが、身体中どこでも均等にセンサーが分布しているわけではなく、侵害受容器の密度が高く痛みを感じやすい部位と、侵害受容器の分布がまばらで痛みを感じにくい部位が存在します。

痛みに対する許容度

痛みと閾値の関係神経には一定以上の刺激が加わった時、初めて痛みを感じます。この設定されている許容度を閾値と呼びます。

閾値が高ければ、侵害刺激が繰り返されても痛みを感じることはありません。

椎間板は本来的には痛みに対する閾値が高い組織です。痛みに対する感受性を順番に並べたのが下記のリストです。わずかな刺激にも痛みを感じる組織ほど、侵害刺激に対する数値は低くなります。
  •   1 背骨の傍らの筋肉(多裂筋)
  •   3 椎間関節
  •  35 仙腸関節
  • 120 椎間板
多裂筋や椎間関節は鋭敏な閾値のセンサーを備えていて、痛みを感じやすい組織です。それに対して椎間板には極めて閾値が高いセンサーが存在し、本来的には強い侵害刺激でなければ痛みを感じません。

なぜ、椎間板が障害されると痛いのか?

なぜヘルニアなどの椎間板障害を発症したときには、侵害刺激とは思えない程の僅かな動きでも激痛が走るのでしょうか?
これに炎症反応が関わっています。

プロスタグランジンのイラスト
組織が損傷すると、それに続発して炎症反応が起きます。
炎症部位ではヒスタミン、セロトニン、ブラジキニン、プロスタグランジンなどの化学物質が分泌されるために起こります。


これらの物質は先ほど挙げたセンサーの1つポリモーダル受容器を興奮させ痛みを起こします。更に、痛みが短期間で治まらない場合にはもう1つのセンサー高閾値機械受容器の閾値を低下させ、僅かな物理的・機械的刺激に対しても痛みが起こるようセンサーの感度を鋭敏にします。

わずかな刺激に対しても痛みを起こすことで動きを阻害し、それ以上組織の損傷を拡大させないための防御反応です。これがヘルニアなどの時、靴下を履く程度の些細な行動で痛みが起こるメカニズムです。
痛みと神経の関係や、痛みを抑制させやすくする方法などについて痛みのページと、そこから分岐する専門ページでさらに詳しく解説しています。参考にしてみてください。

椎間板が絡む各種の疾患

この項目では、椎間板損傷が絡む各種の疾患の紹介と、それぞれの専門解説ページへのナビゲートをしています。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア模式図椎間板ヘルニアは線維輪の一部に大きな亀裂ができ、髄核が脱出し、脊髄、馬尾神経、神経根を圧迫している状態です。多くの場合には炎症を伴います。

背中を伸ばす良い姿勢をとっていると痛みが軽減し、背中を丸める姿勢が辛く、靴下を履く動作が困難になります。


椎間板ヘルニアのページで症状や発症に至るメカニズムについて解説しています。

腰椎椎間板症

椎間板症模式図椎間板症では線維輪は大きな損傷はなく、長期間にわたる繰り返しの外力で小さな損傷が積み重なり、加齢に伴う髄核の含水率が極度に低下した状態です。

多くの場合、前屈で痛みが起き、立っているよりも座位の方がつらい特徴があります。

また、同一姿勢を続ける事が困難です。


腰椎椎間板症のページで症状の特徴や原因を解説しています。

腰椎変性すべり症

腰椎変性すべり症のイメージ図腰椎変性すべり症は脊椎不安定症が進行した状態と言ってもよく、腰椎4番に好発します。重症の場合には椎間板の構造は完全に破綻し、腰椎と腰椎が半分以上ずれてしまうことがあります。

腰椎が不安定なため、同一姿勢から次の動作に移る時に痛みが起きやすく、牽引治療で症状が悪化する特徴があります。

腰椎変性すべり症のページで症状の特徴や、発症に至る安定性破綻のメカニズムについて解説しています。

腰椎終盤障害

腰椎終板の模式図機能的構成要素である軟骨終板の問題で起きる疾患です。

この疾患は腰椎分離すべり症と同じく、成長期の子供に起きる疾患です。

成長期の軟骨成分を含む軟骨終板は構造的に弱く、高負荷のスポーツに取り組む子供に好発します。

腰を反らせると限局性の腰痛が起きます。腰椎終板障害のページで症状の特徴や注意点などについて解説しています。

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